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3)タペット
タペットはカム表面に接触し、タペット孔を上下に動きその動きをプッシュロッドを介して弁椀に伝える役目をしている。
タペットには2・78図に示すように、接触面にローラを使用したもの、平面又は曲面を持つキノコ形(マッツシュルーム形)又はピストン形のもの及びレバーを介してタペットを動かすもの等がある。
カムとの接触面は焼き入れして耐摩耗性を向上させているが小形高速機関によく使われるピストン形やキノコ形のタペットにはチル鋳鉄が多く使用されている。
キノコ形及びピストン形のタペットは、カム接触面が均一に当たるように、殆どの機関はカム巾の中心とタペットの中心とをずらし(オフセットして)運転中にタペットが回転するようにしてある。(2・79図)

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2・78図 タペット

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2・79図 タペットの取付け位置

3)弁押し棒(プッシュロッド)
プッシュロッドはタペットの動きを弁椀に伝える役目をしており、高速運転時には大きなバネ荷重と慣性力が働くため、重量が軽く、且つ圧縮に対し十分なる強度を有する材料が要求される。又機関からの熱を受けるので、熱膨張の少ない材料が望ましい。そのため丸棒又は中空丸棒が使われ2・80図Aに示すような形状に加工し、耐摩耗性を上げるため両端を表面硬化するか、B又はCの如く焼入れ硬化した凸球面又は凹球面状の部品を両端に溶接して使用している。

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2・80図 プッシュロッドの形状

 

 

 

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